エルネア杯開催
5日。エルネア杯開催日。
と、同時に麦の収穫の日でもある。
朝から収穫しては納品して収穫しては納品して。
それを繰り返して終わる頃には既に夕刻が近かった。
農場から真っ直ぐに王立闘技場へ向かうと、ちらほらと観客の姿があった。
いよいよエルネア杯が始まる。
ロウェーナーの声と同時に歓声が湧き上がる。
頂上決戦。
武術を職にする者ならば憧れる大会。それがエルネア杯。
この大会のためだけにシオンは毎日炎獄に通い鍛えて来た。
炎獄のダンジョンは難易度が高い。決して楽ではなかった。
ようやくその成果を発揮する機会が訪れた。
ギブルも忘れる事なく購入した。勿論自分自身に掛けた。
1番人気だった。
期待で胸が踊る。
早く試合の日にならないだろうか。
そして優勝してバグウェルと戦う。
両親より強くなった今、それがシオンの目標でもあった。